第一部 【プロローグ 幸せの物語】

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 むかしむかしのお話です。  とある王国で、王子様のお妃を選ぶ舞踏会が開かれることになりました。  そこに、すばらしいドレスを身にまとった、うつくしい娘があらわれました。  王子様は彼女をすっかり気に入り、ほかの令嬢には見向きもしません。  お互いに見つめあい、王子様が名前を尋ねようとしたそのときです。王城に十二時を告げる鐘の音が鳴り響きました。  すると、ガラスの靴を片方だけ残し、うつくしい彼女はどこかへ消えてしまったのです。  どうしても彼女のことが忘れられなかった王子様は、残されたガラスの靴を使い、娘を探しはじめました。  そして探しはじめて二日が経ったころ。  ついに、王子様はガラスの靴に足がぴったり合う娘を見つけ出したのです。  真っ先に求婚した王子様に、彼女が贈った言葉は―――― 「……は?」
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