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むかしむかしのお話です。
とある王国で、王子様のお妃を選ぶ舞踏会が開かれることになりました。
そこに、すばらしいドレスを身にまとった、うつくしい娘があらわれました。
王子様は彼女をすっかり気に入り、ほかの令嬢には見向きもしません。
お互いに見つめあい、王子様が名前を尋ねようとしたそのときです。王城に十二時を告げる鐘の音が鳴り響きました。
すると、ガラスの靴を片方だけ残し、うつくしい彼女はどこかへ消えてしまったのです。
どうしても彼女のことが忘れられなかった王子様は、残されたガラスの靴を使い、娘を探しはじめました。
そして探しはじめて二日が経ったころ。
ついに、王子様はガラスの靴に足がぴったり合う娘を見つけ出したのです。
真っ先に求婚した王子様に、彼女が贈った言葉は――――
「……は?」
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