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「………っ?!」
それが何か気付いて、すぐにライから体を離した。
熱が触れた頬を手で押さえて距離を取る。顔中に熱が集まって、見られないようにと思わず俯いた。
(い、いい、い、ま…今、ほっぺに、キスした……??)
「…レイラ。」
「はぇっ?!!」
離れたはずの距離は、ライの立った一歩分だったみたいですぐに埋まる。
顔を上げればそこには、年に数回と見ないほほ笑んだ表情のライがこちらを見つめていて、さらに鼓動を速める。
「消毒はいくらでもするけど」
「な、何、な…ひゃっ」
頬を抑えていた手を引かれて、すぐ耳元にライの呼吸が聞こえる。
「あんまり、触らせないで」
「ん…っ」
「俺のご主人なんだから。な…?」
「~~~っひぇ…!」
チュッと、音を立てて耳にキスされて、
思わず声を上げると、ライは嬉しそうに笑った。
(な、ななな、何なの…?!!)
ライの笑顔を一日で二回も、立て続けに見る日が来るとは。そしてまさか頬と耳にキスされる日がくるとは。今まで露にも思っていなかった。
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