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あの日以降、今まで以上にライを意識してしまってモヤモヤする日が増え、
サイラスのことを考える隙もないくらい私の脳はライのことでいっぱいいっぱいだった。
おまけにライもライで、どうかしてしまったのか、お昼の時だって。
その日もお昼は二階のテラスで、ゲームキャラの動向を追いつつ食事を取っていた。
そこまでは今まで通りだったのに。
『…お嬢様。』
『ん?なふぃ??』
『…食べながら喋らない。』
『んむぅ…、ライが話しかけるから』
『はいはい。こっち向いて』
また口の端についてるぞ、とハンカチをひらつかせたライに従って、大人しくそちらを向いた時だった。
スッと近づいてきたのはハンカチ…ではなくライ自身で。
え?と思った時には、口の端に生暖かい感触が這っていた。
『っ、ライ?!!!?!』
『ん、何。』
『ななななな、何は、こっちの台詞なんですけど!!』
『お嬢様、あまり声を出すと人に聞かれますよ』
『~~~~っ!!!』
口の端を舐められた衝撃に口を開閉させることしかできない私を見て、また笑うライ。
ライの謎行動は今までなくはなかったものの、こういう行動は全くなかった。
合っても頭を撫でられるくらいだろうか。
まるで恋人のスキンシップのような行動に、全く慣れない私は振り回されることしかできずにいた。
ライの真意もよくわからないし、でもライから離れようものならどこでサイラスのようなゲーム内対象と鉢会ってしまうかもわからない。
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