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(っもう、何なのよ~~!!)
ーーー…と、いうことで。
「もうどうしたらいいの、お姉様ぁ~!!」
「あら、レイラが弱気だなんて珍しいこともあるのね」
「ほんとに困ってるの!!」
「ふふふ、面白いわねぇ」
ある休日にお姉様に泣きついた。
ライが別の用事で出かける、と聞いてチャンスと思ってお姉さまの部屋に突撃しお茶会に持ち込んで、今。
所々端折ったものの、粗方説明をすればお姉様はニコニコ笑うだけ。
「いいじゃない、ライの好きにさせてあげたら?」
「良くないわよ…!!あ、あ、あんな、あんなことされて、意識しないわけないじゃない…!!」
「ふふ、それでいいのよ。卒業してもきっと一緒にいるんでしょう?」
お父様が言っていたわ、と言うお姉様の話にそういえばそうだ!とさらに頭を抱えることとなった。
そう、元々卒業後の計画の為に父が紹介してくれたのだ。そして従者になった、ということは着いていく意思があるということ。
「ど、どうしよう…」
「悩む妹を見て飲むお茶は美味しいわね、レイラ」
「お姉様の意地悪!!」
「あら。これでも心配はしているのよ?ライの」
「なんでライなの!」
「ふふふ。彼の頑張りが実るかどうか心配でね?」
「私の心配して~~~!!!」
結局相談という相談もできないまま、自室に戻ることになったのだけれど。
でも最後、お姉様の部屋から出るときに言われた言葉、
『ライがついているなら大丈夫よ、レイラ』
その言葉だけは何故か、本当にそうなんだと思ってしまいそうな力強さを感じた。
とはいえ結局何の解決策も望めないままな休日になったのだった。
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