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爽やかな微笑みが心を抉る。
その笑顔は主人公とのイベントスチルに取っておいて!!と言いたくなるようなキラースマイルに思わず目がチカチカした。
「そ、そういうわけには…!」
「それとも…従者の彼のことが好き、とか?」
「はえ?!!」
思わぬ言葉に素っ頓狂な声を上げてしまった。
サイラスも驚いたようにこちらを見て、すぐにクシャっと笑う。
「はははっ!わかりやすいな、レイラ嬢」
「え、い、いいえ、そんなっ、ち、違います…!!」
「顔が真っ赤だぞ?好きだと言っているようなものじゃないか」
「う、、ううう……」
恥ずかしさのあまり、手で顔を覆うもサイラスは楽しそうに笑うのみ。
そもそも好きだとと言っていないし、ライから与えられる胸の高鳴りがそれということなのか、確証もない。
ただ振り回されるので精一杯になってしまっている、だけなのに。
そう思っているとサイラスがやっぱりか、と口を開いた。
「やっぱり、とはどういう…」
「初めて会った時、覚えてる?」
ライの教室に行ったあの時の事だろう。今でもしっかり覚えている。
頷くとサイラスは続けた。
「あの時、俺を見た君はどこかおびえたような表情で、何かあったのかと思ったのだけれど…、彼が来た瞬間、すごく嬉しそうな顔だったから。」
「え…?!わ、私、そんな顔をしていましたか…?」
「ああ、わかりやすいくらい。それでてっきり恋人かと思ったら従者だというから驚いたよ。」
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