本編

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そのお茶会では当たり障りなくみんなと話して過ごし、リリアンヌに目を付けられないように心掛けた。 帰ってすぐにこれから起こるであろうストーリー、およびそれにかかる年月を計算してメモに取った。 幸いこの家には私の他にも兄・弟が一人ずつと何と姉一人もいる。 つまるところ”多少あれこれやっても大丈夫”であると勝手に決めつけた。 しかしここはゲームの世界。強制力何かが働くの可能性も捨てきれず、それもまた時間の問題だと考えた私は【イレギュラー要素】を作ろうと考えた。 まず一つはリリアンヌに近づかないこと。これは最も効果的なイレギュラーだと予想して、お茶会やら何やらでは当たり障りなく過ごした。 そしてもう一つの要素は私にとってもある意味イレギュラーだった。 ”従者のライ” 彼はストーリーにはいなかった存在。モブとは言えある程度描写はされていたものの、従者の存在は見たことがない。 彼との出会いは私の今世の目標である、 ゲームエンドがなされた時間軸の後に世界を周るこのに結び付いた。 転生を自覚してからずっと、ここは好きだったゲームの中。そして第二の人生。であれば好き勝手したい!!と思っていた。 私…というかレイラが主人公を苛めて王太子や他攻略対象の反感を買わなければこの家は安定していたということに気付くには時間は掛からなかった。 (兄姉弟もいるし、であれば一人くらい自由なことをしても良いでしょう!) その計画を(もちろんゲーム内容については端折って)父に話すと、ライを紹介されたのだ。
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