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遊び友達
家庭も通う幼稚園も手や言葉で痛み傷つけられる毎日。
これが僕の幼少期。
出来れば思い出したくない辛い思い出である。
ただ唯一、今でも忘れないあたたかい記憶がある。
それは家でも幼稚園でもない場所
確かとある団体組織の支所だった。
幼稚園児の僕にはそんなことはどうでもよく、ただ土や木などが遊び場として適していたという他はない。
公園らしいものもなかったし、畑で遊ぶと作物が傷がついて大人に怒られるのでたまたまそこで遊んでいただけ。
僕は隣近所に住む同じ幼稚園の同級生の子と二人で遊んでいた。
その子は片親で僕の祖母からは片親の子供は素行が悪いから一緒に遊ばないように、ときつくいいつけられていたが、そんなことはなかった。
彼は明るく冗談が好きで僕をいろんなことで笑わせてくれた。
地獄に仏とはこのことで、その子とは幼稚園の組が違って幼稚園ではなかなか遊べる時間はなかったけれど、バスの行き帰りとそれから暗くなるまではずっと二人でいられたのでそれは僕にとって唯一の楽しい時間だった。
不遇な僕に貴重な笑いと和やかな時間をくれたあのお隣のお友達にはとても感謝している。
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