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つまり、
「すげー金持ちじゃん。今度お金貸して下さい」
……しまった。淀みなく心の声が出てしまった。
「あははっ、君物凄く正直だね。だけど残念。お金にはシビアなので貸し借りはしませーん」
笑顔のままシャキッと腕をクロスしてバツが作られた。
「縄門君。初対面の方にお金を打診するのはいかがなものかと」
先生が眼鏡をクイっとあげて静かに注意する。すみません出来心でつい……。
「ちょうどいい、次は縄門君お願いします」
「ういっす」
黒板の前に立ち数少ないクラスメートを見る。これなら緊張しなくていい。さて千刃院に習うか。
「どうも姓は縄門、名は弥生です!好きな事は読書。好きな教科は魔術生体学で苦手なもんは特に無し。将来の夢は国立図書館に就職してエロ本を読み漁る事。好きなタイプは胸がでかい女です!どうぞよろしく!」
「「……」」
あれ?拍手が、俺の時だけ拍手が無いんだけど!?最後もとびっきりの笑顔を入れたのに!
うわっ、みんなの視線が冷たい!特に金髪の子!さっきまで俺に何の興味も無かったのに!ゴミを見る目をしてる!
ただ1人例外なのは千刃院だ。余程ツボにはまったのか腹を抱えて声を出せないほどに笑っている。
「では次に行きましょう」
足早に次に移る。先生も何かリアクションを!無かった事にしないで!
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