02_臨時特別救済クラス

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 「『木吉』君。お願いします」  「はい」    デカ男がゆっくりと立ち上がり、所定の位置に着く。  「『木吉(きよし)(かなめ)』です。その、よろしく」  早っ!  続いて金髪の子が、  「『古月(ふるつき)兎姫(とき)』です。……よろしくお願いします」  短っ!  最後に透明女が、  「『冬和海理(とうわかいり)』です。えっと、よろしくお願いしますぅ」  何処(どこ)っ!?  最後の冬和に至っては姿が見えず音声のみ。映像は入手できませんでした。  つーか、お前ら短過ぎだろ!名前とよろしくお願いされた事しか分からん。手を抜いたと思われるだろうが!  こいつらの落第理由分かったよ。コミュニケーション能力だ。3人合わせても千刃院に勝てる気がしない。  「はい、皆さんありがとうございました。1年間楽しく過ごせそうですね」  「うんうん、頑張って皆んなで進級しよう!」  2人共掛ける言葉が暖かい。あれ?俺だけろくでなしみたいになってる……。  「さて、次はこのクラスの委員長を決めたいと思います」    先生はそれぞれにコースターほどの紙切れを配る。  「委員長に相応しいと思う1名のみ書いて下さい。1年間リーダーとしてクラスを引っ張りますので良く考えて選びましょう」  委員長ねぇ。雑用その他諸々面倒くさいイメージしか無ぇな。それにこのクラスをまとめるって相当しんどいぞ……。  まぁ、心配しなくても1人に票は集まるだろう。ここはおふざけ無しで本命に入れよう。
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