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「お前は?」
「ちょっと待て、BかCにはいるはず……」
実技も筆記も悪くはなかった。一番下のDクラスってことはないだろう。
Aクラス……には、やっぱり俺の名前はない。
だとすればやはりBかC……あ、あれ?ないぞ。
まじかよ、Dクラスかよ……。
肩を落としながら俺は目を疑った。
「Dにも……ない?」
おかしい。見間違えか?もう一度上からすべて目を通すが、やはり俺の名前がどこにもない。
「ぷぷっ、『弥生』これ見てみな」
笑いを堪え震える鳴彦の指先には、
※上記に該当しない以下5名は落第者の緊急処置として『臨時特別救済クラス』行きを言い渡す。
……はい?
※異議、反論、抗議等は一切受け付けず、それら行為に及んだ者は即退学とする。尚、5名は連帯責任とし進級までに1人でも欠けた場合は全員を退学処分とする。
その5名の生徒の名前に俺の『縄門弥生』の文字が。
「な、なんじゃこりゃあぁぁあ!?」
「ぎゃあっハッハッハッハーー!!」
「なに、あのうるさい人」
「さぁ、キモっ」
集まる周りの生徒の奇異な目線も悪友の馬鹿笑いも一切頭に入ってこない。
俺が落第?それに1人でもやめれば退学だって?
こうして訳も分からぬまま、波乱にまみれた俺の学校生活は幕を開けた。
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