02_臨時特別救済クラス

3/13
前へ
/185ページ
次へ
 ほどなくして臨時特別救済クラスの教室が見えて来た。  隔離だ、職権濫用だの考えてたけど、よく考えれば急遽設立されたクラスだ。一般棟に空きが無かったのだろう。  教室に入る前にふと考える。クラスは計5名。俺の他、いや俺と似た様な奴があと4人いる事になる。  えー、もう終わりじゃんよそれ。自分で言ってて悲しくなるけどまずいって。地獄完成しちゃうって。  学級崩壊秒読みだ。けどまぁ、最初から個人が崩壊してるからな、これ以上崩壊しょうがない。なら問題無いじゃん!  謎理論で元気が出てきた。いや、無理しないと心折れちゃうから。  意を決して扉を開ける。  窓辺には等身大の精巧な人形が窓の外を見ていた。  もちろんそこに居るのは人間だ。人形が音に反応して振り向いたりはしない。  絹糸のように真っ直ぐな金髪は背中に届き、前髪は綺麗に切り揃えられている。  水色の瞳は少し眠たげに細められ、目が合った瞬間にぱっちりとした本来の大きさに戻る。  一番人形と錯覚させたのはその表情だ。  感情を盗まれたかのような涼しげな顔。興味が無いのではなく、興味の持ち方を最初から知らないような無垢な儚さを感じた。  まぁ、要するにとびっきりの美少女が目の前にいた。
/185ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加