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「こ、ここんこんこんにちは」
狐なの?と疑われるくらいにこんが付いてしまった。ド○ホルンリンクル常用者と間違われるくらいどもってしまう。
どうしてだ……。いつも余計な事ベラベラ喋るくせにこんな時だけ!鳴彦も言ってただろう、お前は口を開く前が一番評価高いって!
「こんにちは」
猛省している最中、静寂に小石を投じるようなか細い挨拶が返って来た。
その少女を見ると視線は既に窓の外に戻っている。
今の挨拶、気のせいだったのか?まさか、会話をしたいがための幻聴?もう末期かも分からんね。
しかし、怯んでもいられない。これから1年間一緒に過ごすんだ。最低限のコミュニケーションを取らなければ。
そうだ、これは決して下心なんかじゃない!
「今日からよろしくな」
「よろしく」
「いやーびっくりしたよ。朝来たらいきなりこのクラス行きだったからさ」
「うん」
「いくら考えても分かんないんだよね、落第の理由が。全くふざけんなって思うよな」
「そう」
「……」
「……」
あれれ、さっそく僕嫌われましたかね?最速自己ベスト更新。それとも狐がお嫌いですか?
くっ、気まずい……。まず、こっちを見てくれない。これ以上話掛けると生涯消えないトラウマを抱えそうだ。
やばいな特別臨時救済クラス。やっぱりこいつも変わってるよ。
立ち尽くしていると背後から声を掛けられた。
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