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観光客らしき人はおらず、完全に地元の方御用達店。
ホテルから一番近いスーパーを教えてもらったはずだから、少なくとも靴下を購入した時点より、ホテルから遠のいてしまったことになる。
挙式までの時間、40分。
まずい。電話しよう。
『スマホないんだった。』
小さくひとりごちて、下を向く。
スーパーに入って、店員にホテルの名前を告げると、温和な笑顔と大雑把な説明で道順を教えてくれる。一度曲がるだけの順路と、『about 10 minutes』という言葉にホッとして、お礼を言って、足早に歩きだした。
そして、なぜだろう、たどり着いた場所は海岸だった。
なんだ?また道を間違えたのだろうか?いや、一度曲がるだけの簡単な道順だ。間違えたとは考えにくい。だとすると、俺の発音が悪いせいでホテルの名前が、海岸の名前に聞こえたのか?
考え始めたところで、考えている場合ではないと慌て始める。
とりあえず、道に出よう。
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