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「佐々木さん、考え事?」
「はい。道に迷っていまして・・・。」
答えながら、あれ、と気が付く。振り向くと、スーツパンツとシャツ姿のアキさんが笑顔で立っていた。
「アキさん!」
「迎えに来たよ。僕たちの大事な新郎さん。」
ウインクされて、思わず顔を覆う。
「佐々木さん?泣いちゃった?」
「いえ、道に迷った恥ずかしさと、男性にウインクされてドキリとした恥ずかしさで、赤面しています。」
アキさんがあはは、と笑う。
「でも頑張ったね。ホテルはすぐそこだよ。」
「そうなんですか?」
「ここに来る手前の道が入り組んでいるからね。方向が分からなくなるんだよ。」
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