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「女性用だったのか・・・。」
唸るように言うと、衣装さんが俺の手から靴下を奪い取り、しゃがんで足首に当てる。
「大丈夫です!この位置ならパンツに隠れて見えません。サイズは合わないと思いますが、ある程度は伸びますから。」
凛々しい顔で俺を見上げる彼女に、俺は決意をもって頷く。
「猫、履きます。」
彼女も頷き、立ち上がって靴下を差し出す。
「Good luck.」
「Thanks. Wish me luck.」
俺は猫のついた細身の靴下を広げ、足を入れる。
きついな。これは、女性用な上に、子供用。つまり女の子用だ。
でも履けないことはない。
真剣に猫の靴下と格闘していると、鈴音さんのコロコロとした笑い声が聞こえてくる。
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