2.

8/10
前へ
/44ページ
次へ
「女性用だったのか・・・。」 唸るように言うと、衣装さんが俺の手から靴下を奪い取り、しゃがんで足首に当てる。 「大丈夫です!この位置ならパンツに隠れて見えません。サイズは合わないと思いますが、ある程度は伸びますから。」 凛々しい顔で俺を見上げる彼女に、俺は決意をもって頷く。 「猫、履きます。」 彼女も頷き、立ち上がって靴下を差し出す。 「Good luck.」 「Thanks. Wish me luck.」 俺は猫のついた細身の靴下を広げ、足を入れる。 きついな。これは、女性用な上に、子供用。つまり女の子用だ。 でも履けないことはない。 真剣に猫の靴下と格闘していると、鈴音さんのコロコロとした笑い声が聞こえてくる。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

89人が本棚に入れています
本棚に追加