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目の前まで進んできた2人が立ち止まり、アキさんが鈴音さんに何かを耳打ちする。鈴音さんがくしゃっと笑って、小さく頷く。 アキさんが鈴音さんの手を、俺の方に差し出す。 そっと受け取ると、アキさんが今度は俺に耳打ちをする。 「姪と言う名の、僕の娘を、よろしく。」 俺はアキさんの目を見て頷く。アキさんの、大きく深い目が潤んでいた。 鈴音さんが受けてきた愛情。 鈴音さんが与えてきた愛情。 その大きさを感じて、目頭が熱くなる。 そっと鈴音さんのベールを上げると、涙目の俺を見て、鈴音さんが苦笑する。 参列席に目をやると、姉たちとその夫たちが、笑顔でこちらを見ている。 家族だけでの挙式のため、鈴音さん側の参列席には、今は誰もいない。
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