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あの不思議な店で布をもらってから、なぜか俺たちは子どもを授かる気がしている。
根拠は、小松屋の、恐らく小松さんの、『大丈夫だよ。』という言葉だけなのだが、それまで抱えていた、涙色の靄のような、名前のない感情は胸からスッと消えていた。
ゆったりと、自然にしていれば、その時はやってくる気がして、曜日を気にせず抱き会う日も少しずつ増えていた。
そんな中、入籍を期に、鈴音さんから
「もう、協定やめようか。」
と恥ずかしそうに提案され、俺は一も二もなく飛び付いたのだ。
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