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「2人はさ、それができる2人だから。」
突然、小松さんの声が鮮明になる。
驚いて目を開けると、目の前に小松さんが立っていた。
隣を見ると、鈴音さんもいる。
ベッドの中ではなく、真っ暗な空間に3人で浮いているようだ。
「だから、大丈夫。」
小松さんが微笑む。
その後ろで何かがキラキラと光っているのが見えて、ここは夜空の中なのか?と思う。
そのキラキラの1つが、フワリフワリと近寄ってきて、俺と鈴音さんの前で止まる。
「もう少し先。でも必ず会えるよ。」
小松さんの声に頷くように、光が上下にフワフワと揺れる。
鈴音さんが、光に向かって手を差し伸べる。
「かわいい・・・。」
泣き出しそうな顔で、光をジッと見つめている。
「あと少し。楽しみにしてて。」
小松さんがニッコリと笑い、鈴音さんの手が光に触れそうになった瞬間、あたりが真っ白になって、俺たちはベッドの中に戻っていた。
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