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『いいんですよ。日本人男性もこのくらい堂々とパートナーを褒めるべきだと思います。』 『ご賛同いただき、ありがとうございます。』 俺が微笑んでお礼を言うと、 『また、かっこいいから、何言っても様になりますね。』 と微笑み返される。 『佐々木さん、先に着替えてもいいよ。』 鈴音さんに言われて、 『じゃあ、そうしようかな。』 と、持参した黒い靴下を取り出すと 『あれ?靴下、白じゃないの?』 と指摘され、愕然とする。 『しまった。すっかり忘れてた。黒しか持ち合わせがない。』 『スーツに白い靴下合わせないもんね。』 鈴音さんが笑顔で許してくれる。 『黒でいいんじゃない?』 とも言ってくれたが 『いや、買ってくるよ。ホテル内にコンビニあったから。』 俺は微笑んでそう答えた。 もともと、手持無沙汰だったのだから、ちょうどいい。 そう思っていた。それなのに・・・。
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