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パパとの出会い
パパと初めて出会った時の私達の関係は、売人と客の立場やった。
私が客で、パパはお薬を売る売人。
ただ、それだけの関係。
私は当時の旦那と、よく西成へ足を運んだ。
…いや、運ばされていた方が多かったな。
お金がないくせに、しょっ中薬を求める旦那。
私は、ツケをお願いさせられる為だけにいつも連れて行かれていた。
手に入れても、大半は旦那が使う。
私は、自分が使う間も与えられずに、ギンギンにキマッた旦那の性奴隷になる。
それがたまらなく嫌やった。
パパはある日私に、「奥さんは、いつも悲しい目をしてる」って言った。
そして、毎回ツケを聞いてくれた。
パパも組織の下やから売り上げは上に出さなアカン。だからツケた分は自分持ちやのに…。
そんな、ささいな優しさやけど、あの頃の私には嬉しかった。
だって、そこでもし断られて手ぶらで帰ったら、何されるかわからんかったから。
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