初めての助けて

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初めての助けて

どんなに辛くても、私は人に助けてなんて言った事は無かった。 助けてなんて言っても、助けて貰えるとは思わないからだ。 人に助けを求めて、期待して、もしその通りにならなかったら?そんな、無駄な時間のかけ引きしてる暇があるくらいなら、自分でその時間を必死に生きるしか無かった。 ある時、パパが私にプリケーを渡してくれた。もしも、何かあったら電話しなさいって。旦那には内緒で。私の目が、いつも気になるから心配やって言ってくれた。 ある日、私はインフルエンザにかかってしまった。病院へ行って、検査を受けるのには3000円かかる。私には、その3000円すら無かった。 保険証も、キャッシュカードも全部旦那の親が管理して持っていた。私の手元には何一つの信用さえなかった。 発症後、タミフルを48時間以内に飲めば治るのに、結局私は自力で治す事になった。 ウイルスは、日にちぐすりで治るからって…。 旦那にはうつらなかったが、もちろん私は家事なんか出来ない。 ある日、朝から旦那が服が洗濯されてないと言って暴れた。 もうお手上げで、私は殴られながら、布団の中でパパに電話を鳴らした。 会話をしたらバレるから、鳴らすだけ。 パパは、察知してくれたようだ。 ひとしきり私を殴った後、旦那は家から出て行った。その後、まだ電話が繋がっていたのに気がついて、私は一言「助けて…」って言った。 アレからどれくらいかの時間がたって、外からバイクの音が聞こえた。 パパが来てくれた。 以前、配達に来てくれた事があったから、その時の記憶を頼りに来てくれた。 何故か、トイレットペーパーと、ティッシュペーパーと冷えピタを抱えて持って来てくれた笑
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