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祝いの食事が振る舞われるはずだった食卓に、かすり達家族と向かい合うように新橋が座った。かすりは新橋の隣に座っているが、居心地が悪くてたまらない。
食事は既に冷めきっている。あんなに楽しみにしていた料理を見ても食欲すらわかなかった。
父は眉間に皺を寄せ、母は両手を胸の前で握っている。ひわは俯いたまま顔を上げない。
そんな空気の中話出したのは元凶である新橋だった。
「この度は突然の婚約破棄となり、誠に申し訳ありませんでした」
椅子に座ったままできる限り頭を下げる。
「……説明してくれ」
父は今まで聞いたことのない低く、地を這うような声で尋ねた。
「…もちろんです」
そんな父の態度に怯まず、新橋は顔を上げると、かすり、そしてかすりの家族順々に視線を向けた。
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