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ゆかり姉さんは、かすりの8つ上で、村の中でも歳が近いということもあってよく遊んでいた。かすりはゆかりが大好きで、実の姉のように慕っていた。
でも、その関係はゆかりの16歳の年に崩れてしまった。ゆかりの結婚相手が婚約を破棄したのだ。理由はわからない。運が悪いことに、その年は独身相手が村にいなかった。ゆかりは1年の期限を終えて奴隷になってしまった。
奴隷となってからの村人の扱いはひどかった。村人がやりたがらない重労働から、家事の押し付け、村の男の慰め者。あんなに村人と仲が良かったのが夢であるかのようだった。
幼いかすりはその変わり様についていけず、また、村人の態度に恐怖を覚え、以前と同じように接している。
けれど、それは悪いこと。
ゆかりと話せば、父母に怒られ、優しくすればお仕置きを受けた。それは16歳になった今でも続いていて、その様子を良く思っていないひわが、ゆかりとの会話を邪魔するようになっていた。
「お姉ちゃん…お姉ちゃんってば!」
「あ、ごめん。ちょっとぼうっとしてた」
「もー。お姉ちゃんは今日の主役なんだから、座って待ってて」
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