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「あ。お父さん……笑ってる」
「ええ。そうね」
早朝、家族は病院からかかってきた電話に急いで駆けつけた。その時にはすでに亡くなってしまっていたけれど、その表情は……とても穏やかだった。
それはまるで――。
「ふふ、太郎が隣にいた時みたいね」
多分、本人はその表情に気がついていなかっただろう。でも、家族はみんな知っている。
その表情は、数年前まで飼っていた愛犬に向けていたモノと同じだったという事を――。
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