忠  義

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「可愛いねえ」 小さな籐カゴに入れられた 小さなユウ。 姉と二人飽くことなく 毎日眺めていました。 獣医師の予見通り、 問題の足は少し短い感じ…。 歩行困難を避けるために 器用な祖父が手作り義足で保護。 夜にはそれを外して 母が足をマッサージ。  「伸びてこい♬伸びてこい♬」 そんな歌を歌いながら。 実際、母は、良い温泉があると聞けば ユウを連れてゆき、 鍼灸が良いと聞けば鍼灸に通い、 必死にユウの健康を願いました。 対して、実母のヨシは たまに見かけるユウを 見る様子もなく、 畑と二匹を、 守っていました。
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