忠  義

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気持ちだけでなく皮膚まで 少し弱い私は 田畑の手伝いをしたことなど ありませんでした。 家族の誰もそれを咎めることは なかったのに、私は 早朝になると憂鬱な目覚め。 朝ご飯くらいは用意しようと 頑張ろうにもすでに 祖母が支度済。 要領の悪い私は ユウを抱っこした祖母に  「美味しいかあ?   美味しいかあ?」 いつまでも赤ちゃんのように 見守られながら食事する。 後片付けくらいと思っても  「食器洗い洗剤は皮膚には   よくないから」 そう言われたら、出る幕なし。 学校が休みの夕暮れ… 散水する父や祖父の周りを 踊るようにはしゃぐヨシとセイ。 農具の手入れをする祖母、母、姉。 眺めるだけの私とユウ。
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