鬼子捜し(三)

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鬼子捜し(三)

「仕掛けますか?」 「ああ」  短く応じて、晴道が懐から短刀を取り出す。刀身に梵字(ぼんじ)が彫られた代物を、柄を持って投げ打った。それは、すぐに軽い音を立てて木に刺さる。  刹那。  陰に隠れる者が動いた。攻撃に反応して、姿を現したのだ。だが、襲ってくることはなく、木の間をすり抜けて消えてしまった。 「外しましたね」 「わざとだよ」  しれっと言う師に、玉瀬は怪訝な顔を向けた。 「……とにかく、もう一度追わないと」 「いや、今日はこれで十分だ」 「え? どうしてです?」  首を傾げると、晴道が告げてくる。 「俺はな、村人が小さな子どもの姿を見つけた時、動けないほど(おのの)いたってのが、どうにも妙だと思うんだ。初めから襲ってきたわけじゃないというのに」
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