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旅の師弟(一)
ここは、町から離れた静かな農村だ。
長老の家で先ほどから崇めるが如く扱われているのは、晴道と玉瀬の師弟である。
流浪の身である彼らは野宿をすることもしばしばあるが、今日は明るいうちから食事と休む場所を得ていた。
今も、昼にはまだ早い刻限だというのに、心尽くしの料理が振る舞われている。
「昼前からこんな贅沢、いいんでしょうか」
戸惑うように呟いたのは玉瀬だ。数えで十五の彼は、小柄で人懐こい印象を与える。
隣に座していた晴道も、弟子の言葉に太めの眉を下げて笑った。こちらは三十代前半の男で、凛々しい顔立ちをしている。
そんな二人に、長老が応じた。
「依頼を引き受けていただくんですから、どうぞ遠慮なさらず。本当は、もっと豪勢なもてなしをしたいくらいですが。ご勘弁を」
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