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村からの依頼(一)
さて、料理を美味しく平らげた後、師弟は改めて居ずまいを正した。
「では、依頼内容の確認を」
一転、晴道が真面目な面持ちで切り出す。
二人は術師として世を渡っている。そのため、手がける仕事は異形の存在が絡むことが多く、今回もそうであった。
「村に害をなす鬼子を、退治してほしいと。間違いありませんか」
「そのとおりです」
長老や村人たちは、硬い表情で頷いた。晴道が続ける。
「では、分かっていることを聞かせてください。そもそも、なぜ鬼子だと?」
すると、皆が口々に理由を挙げた。
「一見、五、六才くらいの、細っこい少年なんですが」
「ただし、肌は白くて、髪も茶みがかっていたかと」
「それから、一番目立つのは黄金の瞳でして」
爛々と輝く様が、どうにも不気味だという。
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