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村からの依頼(三)
「あれは、少しずつ狂暴になっておるんです。これ以上放っておけば、いつか我々自身も餌食にされるんではないかと……ああ、考えただけで恐ろしい」
言って、長老は身を震わせた。
青い顔の村人たちを前に、師弟はついと目を見交わす。晴道が皆に告げた。
「よく分かりました。まだ日も高い。ひとまず、私たちは今から村の周りを見てきましょう」
夜に度々現れるなら、近くに寝ぐらがあるかもしれない。
「ありがたい。何とぞ、よろしくお願いします」
またしても拝むように言われて、晴道と玉瀬は立ち上がった。
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