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私と純の唇があと少しで触れそうになったところで、私はこう囁いた。
「私とこうやって、キスしたいと思わないでしょ?」
「してもいいよ」
嘘だ。唇が触れるのを避けるために、少し後ろに下がったのくらい、私にはわかる。
私は、純の額を思いっきりデコピンしてやった。
「不合格」
私は、ぐっと自分の感情を隠すように、テンションをもう少し高めにしてから
「あの男の子とは……勢いよくキス、できるんでしょ?」
と言った。
純は、トマトのように真っ赤な顔をしながら、こくり、と1回小さく頷いた。
私は、自分からふつふつと湧き上がる嫉妬には、気づかないふりをしながら、純の言葉を待った。
「……ありがとう……四葉ちゃん……」
「大事な幼馴染、だからね……あんたは」
幼馴染、の言葉を強めて言った。
自分に、言い聞かせるために。
そして、この時私は、純に言い聞かせるようにこう誓った。
「忘れないで、私はずっと側にいるから」
嬉しそうに頷いた純の顔は、きっと一生忘れられないんだろうな、と思った。
純もそうであって欲しいと、思ってしまった。
でも……。
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