1.まだ子供だった頃の私は、彼の1番だと思っていた

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私と純の唇があと少しで触れそうになったところで、私はこう囁いた。 「私とこうやって、キスしたいと思わないでしょ?」 「してもいいよ」 嘘だ。唇が触れるのを避けるために、少し後ろに下がったのくらい、私にはわかる。 私は、純の額を思いっきりデコピンしてやった。 「不合格」 私は、ぐっと自分の感情を隠すように、テンションをもう少し高めにしてから 「あの男の子とは……勢いよくキス、できるんでしょ?」 と言った。 純は、トマトのように真っ赤な顔をしながら、こくり、と1回小さく頷いた。 私は、自分からふつふつと湧き上がる嫉妬には、気づかないふりをしながら、純の言葉を待った。 「……ありがとう……四葉ちゃん……」 「大事な幼馴染、だからね……あんたは」 幼馴染、の言葉を強めて言った。 自分に、言い聞かせるために。 そして、この時私は、純に言い聞かせるようにこう誓った。 「忘れないで、私はずっと側にいるから」 嬉しそうに頷いた純の顔は、きっと一生忘れられないんだろうな、と思った。 純もそうであって欲しいと、思ってしまった。 でも……。
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