4人が本棚に入れています
本棚に追加
──神様は、様々な世界を作りました。
昔は、互いに行き来出来たといいます。でもいつからか、世界を渡れるのは、限られたヒトだけになりました。
この世界に取り残された人間達は、このままでは行き詰まることに気付きました。
だから人間は皆、眠りにつきました。
人間を見守り手助けし、安心して目覚める日を迎えるために造られた存在。──それが
カリキュラムを聞き流しながら、彼は昼間の提案を思い出す。
蒸気機関と歯車と、明らかに釣り合ってないテクノロジー。誰も疑問に思わないそれらが組み合わさって、彼らは生まれた。
雛形は、厳重に保護されている。夜間の外出はとても無理だ。もし万が一、炉に傷がついたら、どんな機体に搭載しても、自壊してしまう。だから管理プログラム達は、慎重に彼らを育成する。まずは演算と一般常識。判断力。
一定の水準を満たしたモノが、与えられた機体に搭載される。
それにコールドスリープ区画は、立ち入り禁止だ。
彼は、どうやってそれを掻い潜るつもりなのだろう。
それだけは、少し気になった。
最初のコメントを投稿しよう!