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更年期…障害、症状。
ネットで検索してみた。
頭痛、ホットフラッシュ、肩こり、イライラ、めまい……
_____あれ?そう言われれば当てはまるかも?
よく聞く症状がズラッと列記されている。
なんとなく不調だなと感じてたことが、たくさん当てはまる気がする。
鬱もあるそうな。
最近なんとなく体調がスッキリしないと思ってたけど、そうか、そういうことか、更年期障害というやつで全部説明できちゃうのか。
そうとわかったら、なんだかホッとした。
体が変わろうとしてるのね、うん。
症状によっては投薬や漢方、色々あるみたいだ。
_____私はそこまで必要ないかな
私は単純な人間だと思う。
体調が悪いと、何かの病気じゃないかと不安になったりするけど、何かしらの病名がつけられればそれだけでいくらか安心する。
_____ストレスね
おおかたの病には、ストレスがよくないと聞く。
_____ならば更年期の症状も、ストレスを減らせば軽くなるんじゃない?
よし。
これからは素敵な脱皮のために、自分が気分よく過ごせることを目標にしてみようか。
そんなことを考えていた午後。
「ね、お母さん…」
改まった話がある時の遥那は、私をお母さんと呼ぶ。
「なに?大事な話?」
「うん、あのね、晶馬君とも話したんだけど、結婚式のこと」
「うん」
「本当に私たち2人で決めていいの?」
「いいよ、それは最初からの約束。でも予算も自分たちで用意するんだよ?」
「わかってる。それでね、結婚式はしないことにしたの」
「そうか。うちはそれでも構わないけど、あちらは?」
「晶馬君のおうちは大丈夫なんだけど、職場の上司がごちゃごちゃ言ってるみたい、親不孝だとかなんだとか。式をあげないことって親不孝なの?」
「なんじゃ、その上司。いつの時代のオッサンなの?一番の親不孝はね、子どもが不幸になること。子ども自身が幸せなら、なんだっていいんだから気にするな」
「だよね?うちらがいいんだからいいよね?あ、その上司は未婚の女性で、ママと同じくらいの人なんだって」
ふーん、女性でもそんな人いるんだって感じ。
ん?これはある意味ハラスメントなの?
ホッとした顔の遥那。
「大事なのはさぁ、遥那と晶馬君2人の気持ちなんだからね」
「わかってる。わかってるついでにもう一つ!」
「なんだ?今度は」
「入籍も、しばらくはしないでおこうと思うんだ」
「ん?なんで?」
「ママは昔言ってたじゃん?結婚したい人があらわれたら、とりあえず同棲して試してからにした方がいいって」
「言ったよ。戸籍をごちゃごちゃするのはどうかな?と思うから」
「だからね、そうすることにした」
「じゃ、ただの同棲じゃんか?いいの?」
「いい、それがいい。結婚したって浮気する人はするし。しばらく試してから必要なら入籍するから」
それがいいと思う。
私は式を挙げる日に入籍した。
_____入籍していなければ、あの、肘鉄をくらった日に家を出たかもしれないなぁ…
熟睡していた夫は、私に肘鉄をくらわせた記憶はなく、だから、ごめんなさいもなかった。
身に覚えがないのになんで謝るの?それが夫の言い分だったけど。
どうやって仲直りしたのか?いまでは 思い出せない。
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