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彼女の笑顔はそれほどまでに美しかった。
滑らかで真っ白な美しい肌、上品な光を称えた瞳、吸い付けられるような唇
僕は彼女に帽子を渡した後一目散にトイレに駆け込んだ。
顔を水で殴りつけて叶うことの無い一目惚れを忘れようとしていた。
僕はトイレを出て自分の席を探していた。
両親が勝手に予約を取った相席らしい。
「あった」
僕はナンバープレートと自分のチケットを照らし合わせて小さくつぶやくとボックス席の前を見た。
そして倒れそうになった。
自分の前の席はあの少女だった。
「あの時はありがとうございました。」
彼女はすくっと立ち上がって上品に頭を下げた。
「いえいえとんでもない」
僕はあわあわと手をフリフリしながら自分の席に座った。
自分の席に落ち着き英単語帳を開いて30分程でうとうとしている時夢を見た。
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