スズキヒロシとサトウタカシ

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営業車の助手席で、小学生の頃の思い出話を続けるサトウタカシ。 そんなこともあったかな、と思うこともあったが、人の記憶はバラバラだし気にしないように話を合わせていた。 ファミレスに着いて食事をしながらサトウタカシと仕事の話や思い出話で盛り上がった。 ただ、食事中も時折、頭を過ぎる、 『……サトウタカシ、25歳』 本当に目の前にいる、こいつなんだろうか? 高校に入ってからラグビーを始めたというサトウタカシの体は大きく、筋骨隆々という表現がぴったりだ。 もし、こいつに掴まれて細い路地裏にでも連れ込まれたら、逃げきれる自信はない。 食事が終わるとサトウタカシは、 「悪い。これから行かなきゃいけない所があるんだ」 片手をあげ「今度は飲みにでも行こうぜ」と言うサトウタカシと別れ、ファミレスを出た。 不安な思いを抱かせ続けていた子供の頃の友達は、余りにもあっけなく去っていった。
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