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休日デート1
「杏里、君の事、本当に好きだ。どうしようもないくらい。」
晴れた昼間なのに高速道路下の為、ほとんど昼間でも真っ暗な日本橋を私達は歩いていた。
私は彼を見上げて微笑み、手をつなぐ。
彼が安心したように私に微笑みかける。
橋の真ん中あたりにある麒麟像の背中に後光のように一部光が当たっている。暗闇の中の後光。
今の私たちの状況に似ているかな。暗闇の中、一筋の光という希望を私達?、いや、私は探している。
雑踏の中、私を器用にエスコートしながら
労わるようにハルヤは歩き続ける。
私は最近、足がふらつくようになっている。
幼いころから病弱だった私。お迎えが近いのだろうか。
そんなことをこの頃ふと考えるようになっている。
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