EP奈々Ⅱ

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奈々が事故に遭ったらしい 頭の中が整理できない 詳しい情報が入らない 『隼人くん!!隼人くん!!大丈夫???』 まさみちゃんの声が電話の奥で響いていた そんな時だった 『ピーンポーン』 家のベルがなった 『ドンドン!!隼人!!隼人!!!』 健二の声だ 『まさみちゃん、、、一回電話切るね』 声を絞り出し、そう伝えた ガチャ 『隼人!!奈々ちゃんのこと、、聞いたか??』 『ああ。たった今、、聞いた』 『なんか、、車で一時停止無視して大通りに飛び出したらしいんだよ』 『何でそんなこと、、』 俺は声をなんとか振り絞って返す 『なんか、、、、奈々ちゃん彼氏いるみたいで、その人地元の人じゃないみたいでさ』 『暗くて、一時停止の看板分からなかったみたいで、、ノーブレーキでそのまま』 違う 俺が聞きたいのはそんな事じゃない 『奈々は、、』 『奈々は無事なのか?????!!!!!』 信じられないくらいに大きな声が出た 『奈々ちゃんは、、助手席に乗っていたみたいで、今、、手術を受けていると言っていたらしい』 『手術って、、、』 『手術ってなんだよ!!!』 奈々は、、、『奈々はどこに、、、、』 俺はもう完全に、気が動転していた 『隼人、気持ちは分かるけど、一度落ち着こう』 俺を諭す様に健二は言った そのまま俺はバイトを休んだ 健二がシフトを変わってくれた 笑顔で働ける状況じゃ無かった 気がついたらあたりは暗くなっていた 俺はひたすら動く事ができなくて 朝一番で受けた知らせが 頭の中を巡っていた 俺の頭の中は奈々の事でいっぱいだった 自分の保身を考え 傷つきたくないからとなんとなく気持ちを誤魔化していた 奈々の笑顔や 奈々の優しさ 奈々の不機嫌な顔 出会った頃に、俺が知らない女の子といる姿を見て奈々は俺を睨みつけていた 変な女だと思った けれど奈々は、親友の気持ちを代弁していたのだろうと思った 俺は蓋をしていた 奈々の清くて、美しい行動を見ない様にしていた 奈々はいつも 本当にいつも 誰かのために生きていた 俺は 奈々の全てを思い出していた 神様 俺は普段願い事なんてしないから 一度くらいは聞いてくれてもいいだろうと思う 俺はもうこの先ずっと 絶対に願い事なんてしないから 一度くらいは聞いてくれてもいいだろうと思う 奈々は本当に清くて、美しい人です だから どうか 奈々を助けてください
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