EP1 隼人

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『こんばんは』 『沙絵子様、いらっしゃいませ』 その日は冬の訪れを感じさせる 少し尖った風が吹いていた 『今日は話があるのだけれど、いいかしら?』 『はい』 俺は少しだけ微笑んだ表情で、そう応えた 沙絵子さんは、その後もよく来店されていたが これまで、改まった形で話しかけられた事は一度も無かった 『いつも素敵な時間をありがとう。本当にこのお店は私のお気に入りなの』 『こちらこそ、ありがとうございます。沙絵子様に来て頂けて、いつも空間が喜んでるのがわかります。』 『空間が?』 『はい。沙絵子様は本当にいつもステキな空気と思考を纏っておられます。物事に意味を持たせることは至極真っ当なことでは無く、尊いものだと私は考えます』 『まぁ。あなたは本当に、孤高な思考をお持ちだわ』 沙絵子さんがスッと名刺を出した 俺はハッとした そこには誰もが知っている インテリアメーカーの名前が書いてあった 沙絵子さんは 某有名インテリアメーカーの役職員であった 『あなたの力を、貸して欲しいの』 『私の?』 『きっと素敵な未来が見られるわ』 『、、はい』 俺の人生は うまくいっている
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