EP2 奈々

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EP2 奈々

気づけば俺は39歳になっていた 20歳でレストランのオーナーとなり 22歳でひとりの顧客と出会い それがきっかけで俺の仕事は どんどん広がっていった 面白い様に成功し 面白い様に 俺の周りには人が集まっていた 着たい服を身に纏い 好きな時計や車を買った それでも昔からの友だちは大切にしていたから 休みの日には河原でバーベキューもしたし 友だちが働いている焼肉屋にも足を運ぶ 市営団地の5階に住んでる友だちの家に行って 家飲みもするし 松屋にだって行く 好きな時に 好きな事ができる 俺の 人生はうまくいっている ピンポーン 『おじゃましまーす』 家のドアを開けると そこには奈々が立っていた 思い返せば 俺の人生にも少しだけ 恋愛があった 昔から女の子にはよくモテたから 正直、困った事はそれ程なかったんだけれど そういえば 人生で一度だけ困った事があった それがこの子 奈々であった 奈々とは18歳の頃 アルバイト先で出会った
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