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ガチャ
『送ってくれて、ありがとう！！』
『バイト行ってくるわ！』
あの時、俺は
女の子に車でバイト先まで送ってもらっていた
入り口付近で降ろしてもらい
振り返ると
そこには奈々が立っていた
その時の奈々は何故だか
少しこちらを睨んでいる様にさえ見えた
そして俺はなんとなく
その空気を無視した
今にして思えば
あの時から奈々にだけは
違う自分を見せていたのかもしれない
奈々はキレイだった
けれども、とびきり美人な訳ではない
ただ、いつも真っ当な表現をしていた
奈々が笑う時は
本当にうれしい時だった
ある日俺はバイト先の友だちの健二と2人で遊んでいた
『ドライブでもするー？誰か誘うか〜』
健二が言った
俺はなんとなく
『まさみちゃん』
と言った
健二は
『おっ！いいねー！まさみちゃんに電話してみるわ〜』と言った
『もしもし？まさみちゃん？』
健二が話をしている
『あーそうなんだ！そしたらみんなで花火でもしない？OK！じゃあ迎えに行くねー！はーい』
健二が電話をサラッと切る
『なんかまさみちゃん、早苗さんと奈々ちゃんと居るみたいだから、みんな誘っちゃったわ』
『あーそうなんだ。じゃあ行くか！』
奈々が来る
この時の俺はまだ
奈々とは一度もまともに会話をした事が無かった
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