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「交番に連絡入れといた。怪しい奴がいるから見廻ってくれって」
律は辺りを見渡していた。
「一晩中、見張るわけにもなあ。ネカフェでも行こうか」
まだ肌寒い深夜。ただの悪戯であって欲しい。湧いてくる不安を抑え込む。
荷物を預けた駅の近くに、24時間営業のネカフェがある。律と二人、ペアタイプの部屋へ入室した。
いくら考えてもわからない。この予告めいた言葉はなに? 予告、違う。これはまるで実際に起きることの予言。
何処から届く? 答えろとはなに? わからない、答えが見つからない。
「巻き込まれ、死亡...」
もし、あと五日以内に、『答え』られなかったら? 私はどうなるの? まさかその時は本当に死ぬの?
送信者の正体がわからない今、求められた『答え』を解くしかない。
「月華、俺を頼って」
「律くん」
どきっとする。律の真摯的な表情に。
「震えてる? まだ、怖い?」
狭いペアシートで隣合わせ。重ねられた指が絡んだ。
「だ、大丈夫よ」
そばにいてくれてありがとう。恥ずかしさで言い損ねてしまった。
三日、夜。律は私を残し、マンションの様子を見てくると、ネカフェを退出した。
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