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「なに、これ……」
昨夜はほとんど寝ていない。慌ててかけた携帯に律は出なかった。
悩んだ挙げ句、ネカフェを退出。部屋の中にいたら危ないのならとにかく外へ出よう。
駅前の広場で手すりに寄りかかり、マンションに帰ろうか迷っていた。
「あれ、月華ちゃん?」
顔を上げると、こちらに歩いて来る緊急連絡をくれた青木先輩がいた。
「なにしてるの、こんな時間に」
咄嗟に浮かばない返事。
「暇ならファミレスでも行く?」
行くあてがなかった私は、青木先輩について行った。
「あれから大変でね、今もカフェ帰りなのよ」
ファミレスで注文を済ませると、青木先輩は口早に話し出した。カフェで起きた殺傷事件の話がしばらく続いた。
「なあに、帰れないの?」
一人でいるのは心細い。青木先輩の自宅へお邪魔させてもらう事に。律にはラインで知人宅に泊まると連絡を入れておいた。
朝方まで先輩と話をし、気がついたら眠りに落ちていた。
目が覚めたのは昼過ぎ。テーブルの上に書き置きを見つける。青木先輩は買い物らしい。
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