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次の瞬間、さらに大きな悲鳴が上がる。運転手が前方に引きずり出され、マスクの男性が鬼の様な形相で運転手に銃を突き付けている。
目の前の光景に、そこにいた乗客は凍り付いた。マスクの男は立ち上がろうとした別の男性に向けて発砲、銃弾は横に反れた。
「タワービルに向かえ」
銃を突き付けたまま、男は運転手に命令してる。駅から近い有名なビルだ。
「は、はい」
「おかしな真似をしたら、撃つ」
震えながらも、運転手は座席に戻り、急停止されたバスは再び動き出した。
まるでドラマの撮影の様。銃口は常に乗客へと向き、車内は緊迫していた。
ビルの目の前に停車。集まる多数のパトカー。警官達。運転手が緊急事態を外へ知らせたのか、停車時には既にかなり大勢の人波ができていた。
警察の交渉が始まり、一人の警官が前のドアまでやって来ると、銃の男は一箇所だけ開けさせた窓から要求を出している。
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