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警官の交渉は、かなり長い時間続いていた。銃の男は興奮している。
あっという間だった。突然、車内に何かが放り込まれた。目が眩むほどの光。耳が裂けそうな大音響に、身体の感覚が麻痺してぐらぐら揺れた。白い煙が立ち込める。割られるガラス。開いた窓から乗り込む警官達。逃げようと立ち上がる乗客で騒然となった車内。白さの中に響く悲鳴。
パーンッ―――ッ!
銃の発射音。痛さで目が眩む煙の中、それは耳を貫く。
え...? 私の胸から、どくどくと流れる赤い血。まさか。私が撃たれたの?
なんで。どうして私が……?。私は倒れ込んだ。
ピピッピピッピピッー....
目覚まし時計の音が鳴り響く。目覚まし? 手を伸ばして時計のベルを止める。
ハッとして、飛び起きた。
「えっ、あれ……?」
自分の身体中をまさぐる。無い。どこにも怪我が無い。
「夢!? あんなリアルな夢があるの?」
間違いなくそこは私の部屋。どうなってるの、あれが夢だったというの?
納得できない頭で、ふと携帯を手にした。
「一日!? 一時って……」
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