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「六日以内に、何を答えろ、っていうの」
まさか。いや、もしかしたら。これも本当に起きる事件なの? 考えてもわからない。解けない謎が怖い。
ひとり考えていると、玄関の呼鈴が鳴り響く。そっと小窓を覗くと律が立っている。
「引っ越しの挨拶。はい、これ」
熨斗のかかったタオルを手渡されて、ぎゅっと握りしめる。
「月華? どうかした?」
「なんでもないわ」
懐っこい笑顔が心配そうに私の顔を覗き込む。
「なんかあった? 話し聞くよ?」
優しい表情で言われて、張り詰めていた怖さが和らぐ。
「紅茶、淹れて?」
「ん、……わかった」
昨日出逢ったばかりなのに。律はなんだか信じられる気がして。
「中に入って」
私は紅茶を淹れて、律に昨日から始まった奇妙なラインを見せた。
「今日、バイトは?」
「怖くて休んだの」
律はちょっと考えこんだ後、放り出してあったパソコンに目を向けた。
「ちょっと借りるね」
私の携帯電話を片手に何かを調べ出す。
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