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『別れろ』『離婚しなさい』『愛されているのは私』『颯真さんは子供を望んでいる』
そこに並んだ文字はどれも信じられないようなものばかり、まさかこんなものをかってに花那に送られているなんて颯真は思いもしなかった。
そんな驚きを隠せないままの颯真に看護師が近づいてその頬に触れてくる。ショックのあまりその手を振り払うことさえ出来ずにいる彼に……
「颯真さんが悪いんです、あなたがいつまでも私を待たせるから」
「まさか、あの時のポストイット……?」
少し前にカルテに貼られたポストイットを颯真は面倒だと思いそのまま丸めて捨てた。既婚者である自分に声をかける方がどうかしてる、そう思って気にも留めなかったのに。
まさかその時の看護師がこんな行動に出るなんて思いもしなかった。
「私ってモテるんです、いつまでも放っておいたらダメですよ?」
「……何を言ってるんだ、君は」
言葉が通じてない、颯真はそんな気分にさせられる。この看護師に好意なんてないし、これから先どうにかなる気も無い。それなのに、まるで颯真が相手をしないのが悪いと言いたげだ。
「奥さんが離婚してくれないからですよね? 離婚さえすれば私をちゃんと見てくれるんでしょう、だから……」
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