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ある日、あの子のお母さんに閉じ込められた部屋の中で、ペン立てに入ったカッターナイフを見つけました。
手に取って刃を出すと、暗闇の中でキチキチと私をここではない世界に誘い込むような、そんな不思議な音が部屋の中に溶けていきます。
もうこんな所に生きていても仕方がない。
私はその刃を、そっと手首の太い血管のある部分に当ててみました。
刃のひんやりとした感触が、もうすぐこの世界から逃げ出せることを知らせてくれました。
私は一気に、皮膚を引き裂くように、腕に当てた刃を引きました。
皮膚は面白いように破れ、その下からは……。
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