私は……

2/4
前へ
/4ページ
次へ
 あの子が私と仲良くしてくれたのは、子どもの頃だけでした。  私たちは大きくなるにつれて一緒に遊ばなくなり、話をしなくなり、気づけば目も合わせなくなりました。  親のいない私を、あの子と同じように大切に育ててくれたあの子のお母さんは、リビングにいる私の腕を引っ張り、嫌がる私を狭くて暗い部屋に閉じ込めるようになりました。  あの子と一緒に私を抱きかかえて、高い高いをして遊んでくれたあの子のお父さんは、私の存在すら無視をするようになり、私の事なんて見えていないかのように、私を蹴り飛ばしたり、踏みつけたりするようになりました。  ……もう、こんな生活は嫌。  私はいつしか、死にたいと考えるようになりました。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加