今でも覚えているよ

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 恵美の子どもの頃といえば一年生から六年生までみんな一緒に遊んでいた時代だ。 上の子が下の子の面倒をみるなんて当たり前のことだった。 今のようにテレビゲームなどはないし、ボードゲームだとしてもみんなで盛り上がるものが多かった。 基本、外遊びでみんな日焼けして、膝小僧に転んで怪我をしているなんて言うのも当たり前だったのだ。 大した薬など付けないでも治ったからみんな元気だったんだろう。 かくれんぼ、缶蹴りなどは特によくやったものだ。 友達の家を一軒まるごと、家の中から庭まで隠れてオッケーなんていう、今では考えられない範囲の缶蹴りだから、誰かしらに缶を蹴られてしまう、小さい子には悲しいルール。 でもそこは大目に見てくれていた気がする。 ある日、井戸のあるうちがあって、ジャバラの蓋がしてあった。 興味本位で蓋を開けたそこのうちの子が「ここに昔落ちた子が、いるんだよ」などと見てきたように言う。「その子はどうしたの?」って聞くと「帰って来なかったんだってさ」なんて付け加えるもんだから信じてそこへは、近づかなくなるわけだ。 恵美ら子どもは、大人の思惑通りになる素直な子どもだった。
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