Case106・ホスト その弐

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俺は(キョウ)。 流夜さんと同じホストクラ[CLUB・FLOW NIGHT]で働くナンバー2だ。 (Case104・ホスト参照) 俺が入店したのは1年前。すぐに売れることは出来なかったが早く流夜さんに追いついたくて必死に頑張った。 ホストになろうと決めたのも流夜さんがキッカケだった。 たまたま街で洋服を買いに来ているところに「ホストに興味ない?」と流夜さんに声をかけられたことが始まり。 ホストなんて興味もなかったけど声をかけてくれた流夜さんが格好良くて憧れて、二つ返事で即入店を決めた。 最初は新規の客について話すも先輩方のトーク力には勝てずなかなか客を掴むことができず。 指名客がいない俺は毎日浴びるほど上手くもないシャンパンを飲まされ吐いて潰れて、起きるともう朝日が昇る時間になっていることが多かった。 毎日気持ち悪いし頭の回転も鈍いような気がする。 それでも声をかけてくれた流夜さんに恥じないよう頑張るしかないと自分を奮い立たせる毎日だった。 ホストを始めてから一ヶ月程経ったとき、とある新規客の席に付いた。彼女達は三人組で風俗嬢としてこの歌舞伎町では名が知られている有名嬢だ。 絶対モノにしてやると意気込んで付いた席だが一人はもう流夜さんを指名し、他の二人もナンバーに入っているホストにしか興味ないのかあまり話ができずに終わってしまった。
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